『古町商店街』修羅の国「筑豊」の昭和レトロな商店街、福岡県直方市

福岡県の北部、北九州とか筑豊には昭和の姿をそのままに残すレトロな町並みが今も残っているんです。筑豊は炭鉱、北九州は鉄工と石炭の積出港、かつての繁栄ぶりをうかがわせる中心市街地の昭和遺構。過疎化が進み、斜陽の街なかに残る繁栄の残滓。日本人の心に訴えかける寂びの風景が広がっているのです。

直方駅前

直方駅の駅舎に使われていた木材は、江戸時代などにみられる手法で加工がされていたそうです。その事から明治期に建てられたものとされていて、とってもレトロで素敵だったのだけれども、アッサリ壊して普通の地方ターミナル駅にしてしまいました。もはや見どころは皆無です。

古い駅の部材を使って、車寄せの部分を復元した旧駅舎のモニュメント。

唯一、都会との差別化が可能な古い建物をアッサリ壊す田舎の首長。衰退する日本の中で、個性を無くせば埋没するだけ。100年間、街並みを全く変えずに維持したら、それだけで観光名所になる。それほど積み重ねた歴史というのは価値があるのに。

同じ部材を使ったとしても、モニュメントでは意味がない。ここで暮らしてきた人たちが積み重ねてきた歴史と共に、過去へと葬り去ってしまった。未来には今以上の発展などないのに。

直方駅前から続くアーケード商店街

直方駅前の大通りを渡ると、駅前から続くアーケードがありました。直方市の明治通りにある商店街のアーケードです。

アーケード化されたのは平成2年と、比較的新しいアーケードですね。

それでもこの辺り一帯は古くから栄えていた街。商店街のお店はほとんどが古そうで、老舗っぽい立派な店構え。

明るく真っ直ぐ続く三角屋根のアーケード。

それでも建っている建物は、それなりの歴史を感じさせるものばかり。

しばらく歩くと、他のアーケード商店街に抜けてきました。今まで歩いてきた南北方向に続く明治町商店街と、東西にのびる旧長崎街道に沿って連なる古町商店街が直角に交わる交差点です。

とりあえず左右に別れているので、右方向に歩いて行きます。

ちなみにこのアーケードは昭和58年竣工のプレートがありました。

古町商店街がアーケード化されたのは昭和31年、九州で2番目のアーケード商店街になったのだそうです。なので、今のアーケードは昭和58年でリニューアルされたということなのでしょう。

アーケードの中で凄い存在感を放つ直方囲碁クラブ。おそらく店の作りからして、元は呉服屋さんだったんじゃないかと思うのだけど、この建物はかなり古いと思います。

囲碁クラブのショウウィンドウ部分に飾られていた、直方藩主の館を復元した模型。直方藩は福岡黒田藩の支藩で、藩主は黒田家の分家です。

立派なショッピングセンターがあると思いきや……

地下入口への階段は封鎖され、中に入る事が出来ません。

1階の入り口は開いているものの、店舗ではなく休憩スペースのようになっていました。もともとは地場スーパーであるユニードというお店で、後にダイエーとなって1995年に閉店したそうです。

この文具屋さんっぽいお店なんだけど、駐車場入り口という看板が付いてるんですよ。

ここから駐車場に入るの!? お客様駐車場入り口と書いてある。

この店が出来た頃は、アーケードの中を普通に自動車が走っていたのでしょうか。今は時間帯で歩行者専用になっているのだけれど。

表は普通に商店街のお店なんだけど、その奥に続く建物が凄く立派な商家造り。戦前の建物だろうね、直方は古い建物が大量に残っています。

続いて出てきたのがこの建物、銀行だろうね。典型的な戦前の銀行ですよ、この建物。

建物よこに設置された案内板によると、大正2から3年ごろに建てられた銀行の建物だそうです。戦前の第十七銀行の直方古町出張所、昭和20年からは福岡銀行、そして今は美術館になっています。

なかなか立派な洋館なんだけど、美術館とかにされちゃうと中に入りにくいよね。普通に一般公開してくれていたら入るのに。

さらにしばらく歩いて、交差する道路を渡ると商店街が変わりましたね。看板が違うもの。

ここはひと区画だけなので短いアーケード、古町商店街から連続してるから同じ商店街のように見えます。

最後まで突き抜けて、振り返ると「とのまち道り」と商店街の名前が変わっていました。

けどさ、このアーケード横の建物、すごいねぇ……トタンだったりセメントで固めていたり。おそらく隣の家が切り離されるごとに補修してきたのだろうけども、材質の違いが時代の違いなんだろうね。

で、アーケードの端で折り返し、再び明治通りと古町商店街が交差する場所に戻ってきました。そして、ここからさらにまっすぐアーケードの終わりまで歩いてきます

と、その前に、商店街が交差するこの場所に建つ建物。いつ頃のものだろ、おそらく大正か昭和初期のものだと思うのだけど。間違いなく戦前の建物ですよね。

1階部分の外壁などは何度も改築された形跡があるけれど、二階には昔の姿が残っています。特にこの「ロング館」の文字。現代と逆ですよね、右から左に書かれています。ここは完成当時のままなのかもしれません。

ロング館前から明治通り商店街を直方駅方向、右左に延びるアーケードが古町商店街です。

で、古町商店街の残り部分ですね、こっちは少し狭くなっていて店も少ないような雰囲気。

静かな通りに突如現れたダイエーホークス帽子とソフトバンクになってからのユニホームを着たオッサン。とおもったら人形なのね、この人。近くに寄るまで普通に人だと思ってました。

古町三番街というビルが登場、飲食店メインの横丁ビルですね。

古さはあるけど綺麗に手入れされた横丁ですね、1階には現役の店がずらっと並んでいました。

アーケードのエンド、ここから左方向、駅の方角に向かってさらにアーケードが続いていました。

正面から見ると、なかなかいい味が出てます。「ふるまち」のフォントが昭和的でイイですよね。

脇道にも古い建物が

直方は戦前の建物がたくさん残っていて、炭鉱で栄えた町だけにモダンな建物が多いんですよ。今度また、時間をかけて歩いてみたいですね。

創業明治38年の老舗料亭「佐賀屋」

こんなレトロな路地もありました。

古町商店街の情報

他にも直方市の中心部にはレトロな建物が沢山あるので、ゆっくりと散策してみると良いかもしれない。

住所・地図:福岡県直方市古町(Googleマップへ)

直方に行ったら、合わせてコチラの商店街も見ごたえあるかも

創業から80年以上、直方駅近くの食堂そば屋

※この記事に書かれている情報は僕が訪れた時のものです、最新の情報ではなく、情報の正確性を保証するものではありません。最新の情報については、ご自身で確認することをおススメします。

近代化を地底から支えた筑豊の今を伝える。近代化遺産一覧表付き。
今回は、主に「商店街」にまつわる古くて懐かしい感じの風景をまとめました。

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