50歳からの軽貨物運送業という働き方『委託会社(水屋)の選び方』

軽貨物フリーランスという言葉が生まれて数年がたったかな、YouTuberなんかも登場して一時期はけっこうな盛り上がりを見せていたのだけれど。黒地に黄色の数字が書かれた業務用ナンバーの軽自動車で、貨物運送業を営む自営業者ね。僕はその言葉が生まれる少し前から軽貨物業界で働き始めていて、今はゆっくりのんびり働きながら生計を立てている。

軽貨物を始めた理由

この業界に入ったきっかけは、僕は営業の仕事、主に不動産の仕入れ販売やアパートなど住宅の建築営業を長くやっていて、課長とか本部長とか呼ばれたこともあるけれど、二度会社の倒産を経験して、それでも営業しかできないので他業種の営業なんかもやっていて、バリバリのブラック企業で働き続けてたら心が壊れてしまったみたい。

もう競争の中で働くのが嫌になって、また、ダマしたり騙されたりの駆け引きに疲れ果てたのか、表面的に他人と接するのは良いのだけれど、深く人と付き合う事が出来なくなってしまった。いわゆるコミュ障というヤツかもしれない。今では人見知りが酷くて、妻以外の他人に対して心を開けなくなった。

そんな状態だから、職場での人間関係が煩わしくて、人とできる限りコミュニケ―ションを取らずに済む仕事を探して辿り着いたのが軽貨物の仕事。この業界では営業スマイルと、営業的な会話が出来ればやっていけるからね。基本的に一人親方で、そこに人間的なつながりは必要ない。だから働きやすいし続けやすいのです。

委託会社、俗称「水屋」のこと

軽貨物の運送業者というのは、個人の人脈で仕事を取って来る人も居るのだろうけども、多くの場合、委託会社といわれる中間業者を間に挟むことになる。これは当然の事で、発注する側は自動車1台で営業している個人事業主よりも、複数のドライバーを抱えている会社に依頼したほうが確実性が高い。例えば、自動車が故障したらどうするのかとか、事故したらどうするのかとか、担当ドライバーが病気したらどうするのかなど、個人だと万が一に対応できないのだから。

さらに言うと、自社で個別に個人事業主と連絡を取って依頼をしていくよりも、契約を取り交わした委託会社に丸投げしてドライバーの手配をさせたほうが圧倒的に効率がいい、後の事務処理も楽。だから普通は委託会社、俗に水屋と言われている業者を介して仕事を請け負う事になる。僕の場合はは今まで水屋3社と契約していて、今も継続して仕事を斡旋してもらっているのは2社。付き合いをしていなくても解約などする必要もない、ほっとけば良いだけなので。

で、この水屋なんだけれども、会社によって当たり外れがとても大きくて、同じ仕事をしていても料金が全く違うとか、仕事の内容に極端な偏りがあったりとか、最初の契約時に費用を請求する会社があったりしてピンキリなんだよね。そこで、僕が今まで経験した中での話になるけども、少し水屋と契約するにあたっての注意点を書いておこうと思う。

水屋選びで注意すること

  • 契約時に料金を請求される

今どきの委託会社で登録料とか、契約の初期費用を請求するところはほとんど無い。まあ、契約書の印紙税とか、委託会社の車両を借りる際に補償金として数千円から2万円くらい取られる事はあるけども。ただ、同じ仕事を受けていた同業者の中には19万の加盟料を払ったとかそういう話もあったので、初期費用ゼロと19万で同じ仕事を斡旋されてたら……ぶっちゃけ、ムダ金になってしまうよね。

なので加盟料を取るところは明確な利点が無い限り、最初は避けた方が無難。とりあえず軽貨物の仕事を始めてみて、その上で加盟料を取る会社にメリットを感じたら改めて契約すればいい。

  • 最低契約期間のような縛りを設ける

僕は、委託会社との間で解約の申し出が無い限り、1年毎に自動更新していくという契約になっている。ただ、いつでも、どちらからでも、解約を申し出た時点で解約できる契約。ここに3か月前に申し出ろとか、最低契約期間内は解約を受け付けないとか、違約金を払えとか、そういう縛りを設けている会社もあると聞いたことがある。そんな会社は避けた方が無難。

  • 他社との掛け持ちを禁止する

これもおかしな話で、専属契約というのもアリとは思うけど、通常は掛け持ちを禁止する事はない。文句言われても「おタクが仕事を振ってくれないからしょうがないでしょ」と言えばお終い。とくにスポットの案件は、複数のルートで入ってくるようにしておいた方がいいに決まっている。

  • 消費税は外税か内税か

お金に関するシビアな部分、この業界は相場というのがあるのかもしれないけど、基準額が決められているわけでもない。なので金額を提示されたら、まず外税か内税かを必ず確認する必要がある。10%も単価が変わると大きいからね、A社とB社が同じ案件を振って来た時に同じ15,000円であっても消費税の扱いで受け取る金額は全く違うのだから。

  • 会社によって単価が全然違う

これは宅配だと顕著なんだけども、僕は最初に宅配仕事から入ったので、繁忙期のヘルプなんかの仕事が入ってきたりする。そこで提示される金額が、税抜160円だったり150円だったり、僕が税抜160円で受けてた同じセンターで、税込で140円で受けてる人がいたりもした。同じ宅配の仕事でも水屋によって単価が全く違うなんて当たり前。また、宅配の場合だけども、元請けから受けた金額を開示してそこから手数料を取る会社と、元の金額を出さずに安く提示して更に手数料を取る「二重抜き」をする会社があるので注意。もっと悪質な会社になると、安く提示したうえに消費税まで持って行く「三重抜き」まである。消費税と単価、他の人から情報を集めるなりして事前に調べておくことをおススメする。

  • 宅配しかやってない水屋は避ける

宅配の仕事と言うのは、軽貨物の中でやりたくない仕事の上位に入る。脱落していく人も多くて、1年もするとガラッと人員が入れ替わっていたりする。なので常に募集があって、我々のような軽貨物ドライバーのセーフティーネットのような存在。定期の仕事というのは荷主の都合で突然無くなることもある。そういう時に、次の仕事が見つかるまでの繋ぎとして宅配の仕事はとてもありがたい存在。

けれども、この業界には宅配だけでなくいろんな仕事があるので、宅配しかやってない委託会社と契約するよりも、多くの仕事を持っている会社と契約したほうが選択肢が広がり、メリットが多い。宅配は向き不向きがある、なので初心者なら宅配しかやってない会社との契約はおススメしない。

とまあこんな感じで、僕が経験した中で思った事だけれども、水屋についてザッと書き連ねてみた。

事務手数料を取る水屋

あ、あと、営業と事務兼配車係が居る会社を選んだほうが僕は良いと思う。社長一人と経理の奥さんか娘さんといった家族経営みたいな会社もあるけれど、何かあった時にシッカリ対応してくれる会社と契約したほうがいろいろと助かる。

なぜなら、スポットの仕事なんかはイレギュラーが高確率で発生する。例えば、トラックの到着が遅れて数時間待たされたり、あげく仕分けを手伝わされたりとか、到着遅れの結果、時間が遅くなって納品できなかったりとか。そいう場合に営業や事務員のいない会社だと、多くの場合、自分で元請けと話をしなければならなくなる。営業や事務員がいる会社であれば、水屋の事務所に連絡すると元請けとしっかり話をしてくれて、追加料金を貰えたりもする。

実際に市内4件配達で12,000円という仕事を受けたときに、2時間以上待たされたあげく大型トラックからの荷下ろしと仕分けまでやらされたことがあって、その時は水屋に交渉してもらいプラス5,000円の合計17,000円になった事があった。他にも時間チャーターで4時間が5時間強になった時も、水屋に言えば3000円プラスされた。

定期の仕事でも、最初に聞いていた仕事が途中で明らかにキツくなったりする。具体的には、朝8時から15時半までで40から50件配達という仕事が、減車によって1台当たりの配達エリアが広がり、件数も時間も増えて時間通りに終われなくなった。そこで水屋に現状を報告して、元請けと料金の交渉をしてもらった。結局、値上げ交渉は失敗、そこまで美味しい仕事でもなかったのでこの仕事を断ることにした。その後はとりあえず宅配をしながら、美味しい仕事が見つかるまで待ったのだけど。こうやって気軽に仕事をポンッと変えられるのは軽貨物の魅力だし、そのためには仕事を取って来る力が水屋にあるかどうかがとても大事。そういう意味で、ちゃんと運送会社とパイプを築いている営業が居るというのはとても大きい。

ただそういう対応をしてくれる会社は、その分だけ余計に事務手数料を1万とか1万5千円とかとられてるんだけれども、僕は何かあった場合に対応してもらう経費として十分に元が取れていると思う。まあ、僕が契約している会社がそういう会社なだけで、手数料だけ取って何もしない会社もありそうだけど……この業界なら。

ということで、委託会社、俗に言う水屋についてのお話しはココまで。次は実際に働いてみた軽貨物の仕事の内容や、収入について書いてみたいと思う。

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